心の形式的な発育をさえ妨げることになるというのだから、この事実が一種の実証的な根拠を得て来るのである。――前にも云った通り、一般に受験準備なるものは、人生の一つの不可避な不幸であって、之に就いての訓練は、そのものとしては立派に教育的価値を有っている。このことを忘れてはならないのだが、併し他方、例えば就職運動にばかり巧みな男は、決して社会的に意味のある男ではあり得ない、ということの真理の方が、この際一層大切だ、というのである。
だが之は少しも問題の内容の説明でもなければ、ましてその解決でもない。以上は単に、この問題がどういう点で問題になっているのか、又されねばならなかったのか、という説明だけだ。――処が、入学試験が現に存在している以上、受験準備の必要は絶対的なので、受験準備の善悪に拘らず之は必然なことにぞくする。少なくとも入学試験が現存する以上はである。
そこまでまず第一に考えられる解決策は、何とかして入学試験そのものを不要にしようという企てである。一体入学試験の必要はどういう機構から生じるかというと、云うまでもなく夫は、中学校なら中学校の教育に値いする人間だけを選択し、教育の価値の
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