さっき云った、例の人類に対する冒涜というような処へ行きつくのである。
 又教育家達にして見れば、受験準備による児童の無用な苦痛を何とか軽減せねばならぬという親達の観点とは一見全く無関係な或る立場から、入学試験受験準備の問題を困ったものだと公言しているのである。と云うのは、入学試験が現に存する以上、小学校に於ける何等かの形の受験準備が絶対に必要なわけだが、この受験準備の結果が小学校教育の正規の方針を著しく偏極させることになるので、之では充分に小学校教育の主旨を貫徹出来なくなると云って、苦情を持ち出すわけである。ことに文部省あたりが見る公的な根拠は専らこの辺にあるらしい。実はここに少し疑問があるのであって、一体、入学準備教育によって排除されたり歪められたりすることを心配される所謂小学校教育の主旨なるものが、社会的に考えられた現実の教育情勢から独立し得る程にそれ程抽象的に完備したものかどうかが、多少皮肉に観察されねばならぬものにぞくする。さっき、受験法に興味を有つようなタイプの子供には恐らくロクな児はいないだろうとは云ったが、併しその受験法の内容になるものが、夫々の学科の要点や要図であるとし
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