が面会すると、一、宮内省関係の禁忌なき場合、二、古典に理解ある者だけを入場せしめるならば、三、今回だけは、許そうということだったそうである。処で宮内省自身の方では一向かまわないという意向だったが、古典に理解ある者というのが紫式部学会員に限るという意味だったので、都下の国文科女学生達の絶大な数をあてにしていた劇団は、そういう制限を承認しようとしなかったから、遂々上演を禁止されたわけである。
禁止の本当の理由は局外者にはよく判らない。警視総監は、当局は「文学の宣伝機関ではない」とか「理屈で禁止させるのではない」とか云った、と新劇場の当事者が告げているが、之は何も禁止の理由の説明にはなるまい。
だが先に述べた上演許可の条件から想像すると、第一の理由は無論男女の放縦な色事を写したということにあるが、単にそれだけならばどんな芝居でもそういう点はあるので、それにこの戯曲などは色事も至極上品に物やわらかに描き出されているから、あまり心配になる筈はない。だから第二の理由の方が今の場合特徴的なので、それは、事実上のことに関るからと云うのであるらしい。雲上の事柄に気を配るということは、決して風俗検閲の
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