物の数ではない。そういうわけで、特に急いで対外的に宣揚しなければならない程の内容ある日本文化は出来ていないのが遺憾ながら今日の事実だろう。
 寧ろ、盛んになっているのは、愛国家が敢えて宣揚することを好まぬような、アッパッパ映画や東京音頭まがいの街頭小唄位いのものではないか。――日本の文化水準は一般的に、最近|頓《とみ》に停頓して来たし、特に又日本固有文化[#「又日本固有文化」に傍点]は決定的な衰退の途を、もはや引きかえすだけの勢をもっていない。宣揚する必要があるのは、日本固有の文化があまりに昂揚しているからではなくて恐らく、あまりに没落して行き過ぎるからかも知れない。
 だが国際文化局という名が付いているからと云って、正直に、問題が文化にあるのだなどと思うと大間違いをする。問題は文化などという甘ったるいものにはないのだ。文化などは実はどうでもいいのであって、抑々日本は満州問題を惹き起し、国際連盟を脱退して非常時に這入ったのだ。そこでこの国際連盟を出た代りに国際文化局を当方で造ろうというのである。国際連盟はその文化委員会でさえが日本側が受動的だったのだが、まず第一にこの点を逆転して文化的
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