り消しという眼に合おうというわけだ。非常時局だから大いに発憤して気勢を揚げようとすると、非常時局だから大人しく朝から晩まで働けと云われる。
なる程官吏乃至一般にお役人位い社会的に優遇されているものはない。夏季に半休があるなどということは、その優遇の抑々末端である。身分保障、恩給、退職手当、年金、官舎、昇給、其他から云って、決して民間のサラリーマンの比ではない。それに官吏の背景には国家の権威が射している。身は××にぞくしているのだ?――併しそういうなら、民間のサラリーマンを一般の所謂労働者に較べて見たら、サラリーマンは何と社会的に優遇されているではないか。処が又この就職労働者を失業労働者に較べて見たら彼等は何と贅沢[#「贅沢」に傍点]な社会条件におかれている事だろう。否、本工と臨時工との差だって実質的には大したものなのだ。失業者だってカード登録者と純然たるルンペンに[#「ルンペンに」に傍点]較べたら、カード氏等は如何に贅沢な社会的厚遇を享受していることだろうか。話は段々細かくなり心細くなるが、社会的優遇の差は、主観の隣接した視界に於ては、その割に小さくはならないのである。
社会人は誰
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