然で、文部省の日本精神文化研究所は、学生のストライキが起きたり何かする処から見ても、例の普通の就職難学校や失業大学と同じ種類のものであることを暴露して了ったが、之では遂に例の村塾道場主義に太刀打ちが出来ないとあきらめがついたと見えて、遂々文部省は全国に於ける村塾で農村文化(?)に貢献し人格陶冶の功績を挙げているものを選んで表彰することに決めたのである。こうして日本の教育は日増しに精神手工業的な村塾道場主義に傾いて行くのである。三田の慶応義塾など、蘭学塾か英学塾かに止まっていれば、今頃は大したものになっただろうに、大学令の改正と共に、失業大学の仲間入りをしたのは、先見の明のなかった点で重ね重ね残念だ。
 物質的な貧乏問題を、村塾道場主義と云ったような精神教育で解決しようとするこの観念論は、反技術主義と精神主義とを内容としている。村塾主義の反都会主義、反工業主義、やがて反プロレタリア主義がその反技術主義だと一応見ていいだろうが、精神主義の方になると一寸説明が必要だ。と云うのはこの場合の精神主義は実は云わば一種の肉体[#「肉体」に傍点]主義なのである。だからこそ剣道や柔道や又は坐禅と同じに、
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