であれば釣り、刀剣であれば刀剣がその研究室を風靡するのだ。
「医学博士」の売買は全く、資本主義医学に於ける投資現象の一つに外ならないのだが、夫がこうした尚武的で淳朴な封建的デリカシーを以て蔽われているから、益々甘い商売なのだ。ただ長崎医大のように、封建領主間に学閥の対立があまりに尚武的であり過ぎると「医学博士売買」が切角被っていた淳朴な人情味タップリのデリカシーの皮がむけて、思わず勝矢博士如きのお家の一大事に及ぶわけで、これは決して他人事ではなく、他の医大や医学部もこんな思わぬヘマをしないように今後も益々用心しなければいけないのである。
二、華族の平民化
宮内省は六年目に宗秩寮審議会を開かなければならなくなった。竹内良一が岡田嘉子と出奔して華族の礼遇を停止されて以来六年目なのだが、今度の審議の内容はその量から云っても質から云っても、ずっと進歩している吉井勇伯夫人徳子(『中央公論』一月号に於ける直木三十五の紹介によると通称「おどん」)吉井勇伯自身、引いて柳原義光伯、近藤滋弥男令弟夫妻、久我通保男嗣子等々、舞台に登る役者の数も大分多いが「華族の体面」のけがし方も亦「おどん」氏の
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