警察権はこれによって、民衆の良心を自分の身方につけることが出来る。
 そこで、不良ダンス教師を洗って見ると、良家の不良マダム達が、面白い程続々として登場して来る。どうせ下等なものだと思って洗って行くと、意外にも「上流社会」の弱点がそれに連っていることが判って来たから、世間の道徳家は一石二鳥の思いで、喜び始める。この頃「上流社会」はどうしたことかあまり評判がよくなく、何とかしないと均衡上から云ってもまずいのだが、併し上流社会の男のやっている仕事を問題にし始めると、色々のさし障りも出て来るし、又好色な世間の道徳家達を刺※[#「卓+戈」、127−上−18]するのに適当でないのだが、幸いにして、良家の不良マダム達が登場して来て呉れたものである。
 不良ダンス教師の対手というのは、別に無邪気な少女や世間を知らない処女などではなく、人情に精通した有閑マダム達なのだから、彼女達の行為に就いては充分彼女達自身に責任を帰せさせることが出来るわけで、従って不良ダンス教師は「色魔」でも何でもない筈であるが、如何に不良だとは云え、美しい上流の婦人達なのだから、当局のギャラントリーから云っても、之を保護しなけれ
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