椅子を極めてやがて重役になったように、又官吏が地方長官から代議士になるように、又軍人は将官になると政治家になれるように、小学校の先生も校長となることによって、地方、地区の有力者に伍するのである。市区町村会や府県会の議員と同じに、地方的情実に基いた「有力者」で、中央の所謂名士ではないが、この地方的、地区的、有力者であることが、この種の議員と同格に、小学校校長の「腐敗」を招くのである。だが、小学校の先生だと云って、有力者に伍して悪いということはどこにもないだろう。
東京府学務課は、この間の消息に就いて、仲々よく観察が行き届いている。罪の根柢は[#「根柢は」は底本では「根抵は」]教員や官吏自身よりも、府市会議員の一部又は校長の背後にある大物に潜むものだと見て、俸給の安い弱い教員をいじめながら、こうして巨魁を見遁す処の、警視庁のやり口に不満の意を表している。何も之は、府庁自身の内部に問題が波及しそうだからそう云うのではないだろう。そして教育界全体の意向は、警察当局の教育上無責任な検挙方針が、無邪気な児童の気持を傷けることに、斉しく不満の意を表している。それから又、某校長の懐中から部下の女教員
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