、小屋が潰れて了うので、早慶自身はとに角、興行主たるリーグ当局の役員生活問題にも関わるからである。だがそれにしてもリーグ当局はそれだけ「権威」を問題にされたわけであって、この時以来慶応野球部の「権威」には恐るべきものがあることが発見された。
 早稲田の真剣な応援団と、慶応の権威[#「権威」に傍点]ある野球部とが、顔を合せる日が来た。その日軽薄で見識のない早慶ファンが前の晩から山のようにつめかけたことは断るまでもない。処で試合中、権威ある野球部の意を体した慶応の選手は、審判官の審判の権威を盛んに覆しては、自分の権威をひけらかしたが、その結果かどうか知らないが、われ等の世界史的な審判[#「世界史的な審判」に傍点]のサイレンは遂に慶応方のために鳴り響こうとしたのである。その瞬間、神様は偶然にも楽園のアダムとイヴを思い出して了ったのである。――そこで早稲田の真剣な応援団は、猛然として贖罪と救済とのために起ち上り、同時に慶応側の権威ある指揮棒が行方不明になった。ということに、少くとも早稲田側ではなっている。この際、切符の不正改札をしたり、「顔」に向っては言葉通り顔負けをしたりしつづけている場内整
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