しろ大きな学校が潰れたり、急行列車が吹き飛ばされたり、有名な五重之塔が消えて無くなったり、汽船が街頭へ出て来たり、数知れぬ人命が奪われたりしたのだから、どんなに社会現象に無関心な世間の人でも、多少のショックを受けるのは当然だろう。一切の現下の社会問題は今や、この一個の突発的な自然現象(?)によってスッカリ蔽われて了いそうだ。現に都下の婦人団体の御婦人方は、他のことには一向無関心なのにも拘らず、こういう刺※[#「卓+戈」、187−下−22]的な事件に対しては極度に涙もろくなっている。シニズムとセンチメンタリズムとはお隣り同志だということがこういう場合に最もよく判るが、併しとに角活動しないよりはした方がいいことは事実である。市電の臨時雇車掌として活動して喜んでいる小商人達よりは大いに結構である。
 私は何も折角の婦人団体の活動にケチをつけようというのでは決してない。実は寧ろその反対なのである。だがまず所謂復興[#「復興」に傍点]なるものがどういうものかに気をつけなければならないようだ。文芸復興とか宗教復興とかいうものが世間では盛んだが、復興というものは往々油断のならない代物だからである。
 一体風水害からの「復興」はどこへ向っているか。総括して了えば夫は金融問題[#「金融問題」に傍点]に帰着するのである。と云う意味は、まず第一に大蔵省と日本銀行とが復興のため中小商工業者への低利資金融に就いて、意見の一致を見たと伝えられる。それから近畿商工会議所連合会の席上では、大蔵省当局者に向って、二千万円程政府が責任補償する一万円以上の復興資金の予算を要求している。尤も商工省当局の意見では、予算によるよりも預金部の融資に俟ちたいというので、商工会議所の資本家達も之を諒としたそうだが、同時に特に大阪商工会議所では、大阪府市の中小商工業者への貸付増加に積極的に乗り出すことに決定したし、大阪府当局では中小商工業復興資金という新制度を造って、府が半額補償することにして六百万円を罹災者に貸しつけることにした。この際参考までに挙げておきたいが、金融はその本質から云って担保の要るのが当然で、担保があれば一口五千円以内、もし無担保ならば一口一千円以下というのである。年七分五厘三カ年償還。岡山県会は該地方融資銀行に五割迄の損失補償を奮発することによって貸付けを行わせることにしたという。例はまだまだいく
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