問会の議論によると、操縦及び艇内の水防等に原因があるのではなくて、波浪による傾斜に対抗するだけの復原力が不足だったのに基くということが明らかになった。要するにこの新型水雷艇は、設計上根本的な弱点を持っていたというのである。
 友鶴はロンドン条約の欠陥を補うための補充計画により、制限外の補助艦の一種として造られたもので、従ってそれに対する作戦上の要求に多少の無理があったろうというような想像も出来るわけだが、とに角すでに服役中の同型艇三隻は早速改造されねばならず、第二次補充計画にぞくする未建造十六隻の水雷艇の設計も根本的に立て直さねばならぬということになり、海軍では新たに調査会を組織して対策を練ることに決定したということである。
 一方に於て設計上の責任問題も当然起きるわけで、特に顛覆当時艇長以下二百名の将兵を失っている処から、問題は極めて重大であるが、それはいずれ軍法に照して処置するものは処置するだろう。何にせよ優秀な製艦技術を誇るわが軍部としては、之は国民に顔向けならない事件だということを、深く記憶しなければなるまい。
 鳩山文相を明鏡止水の心境から辞職の決意にまで追いこんだ岡本一巳代議士は、勢いに任せて今度は小山法相の収賄問題というのを持ち出した。併し之は明らかに図に乗り過ぎて早まったという形であるように見える。というのは、本当を云うと鳩山文相が辞職したのは、決して岡本一巳氏による「暴露」などと関係があったのではない。その証拠には岡本代議士は懲罰委員会から、衆議院の登院を禁止されたのを見ても判る。その理由は、岡本氏が軽卒にもありもしない鳩山文相の不正を「暴露」したからに他ならない。だのに岡本氏は自分の云ったことが本当だったもので、鳩山は文相を罷めなければならなくなったのだと思い込んで了ったのである。で今度は、その調子で、小山松吉氏をも罷めさせてやろうと考えて憲兵隊へ訴えて出た。処が都合の悪いことには小山氏は司法大臣の職にあるので、事件は交渉の上憲兵隊から検事局に廻されて、岡本氏はどうやら逆にひねり上げられそうになって来たのである。
 小山法相(当時の検事総長)を饗応したという待合「鯉住」は、小山起三氏という弁護士の行きつけている処で、木内検事の取り調べの漸定的な結果によれば、饗応されたのは法相ではなくてこの弁護士だそうである。即ち岡本代議士は途方もなくあわてたもの
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