驍スめには両者の間の差異に着眼しなければならない。質的幾何学と空間の直観とに同一ではない処の性質を探求の拠り処としなければならない。併し同一でないと云っても凡ゆる意味に於て共通でないならば縦えそれが或る思惟の機能を云い表わすにしても空間直観と質的幾何学との間に働くものであるか否かは全く不明である。それ故そのようなものを検出することが出来てもそれによっては幾何学が空間直観に基くことの証明に役立つ筈はない。であるから吾々は両者の間に於て共通でありながら尚且つ互に異っている処のものを用いる必要がある。さて空間の直観の性質として普通次のものが挙げられる。等質性、等方性、無限、直線性及び次元。然るに前の三者はそのまま質的幾何学の対象の性質となる。従って吾々の要求を充さない。直線性は又少くとも位置解析には現われない。稜というような概念は一般に曲線を意味する。即ちそれは共通ではない。従って之も不充分と云わねばならぬ。唯独り次元のみは両者に共通でなければならぬように見える。幾何学も次元を持っているであろう。のみならず空間は三次元と考えられるに反して幾何学の次元は数3に限定される理由は何処にもないであろ
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