驍フではなくしてこの根源性の問題――之をカントは権利の問題という名で呼んだ――を中心としているものと云わねばならぬ。さて私はシュトゥンプフがロッツェとカントとに加えた批評を検べて見た。シュトゥンプフは両者の真の主張、空間表象は根源的であるという主張を見逃している。併しながらこの誤解は決して偶然ではない。それは彼自身の説――第四の種類の考え方――に深く根差しているのであるから。私は更に彼自身の考え方を批判しようと思う。
 空間表象の発生を明らかにすることはすでに述べたように到底不可能と云わねばならぬ。シュトゥンプフによれば空間表象は根源的でなければならない。即ち他の何物かから構成されることによって始めて成り立つものではない。而も彼によれば根源的であるとは感覚がそれ自身説明し得ない直接態であるという正にその意味での直接性を指すものである。空間表象は特有な感覚内容を持っている。それは「色の表象と同様に又同じ意味に於て根源的である」(S. 128)。空間表象は絶対的な感覚内容を持っている、その限り根源的である。処が空間表象の感覚内容は他の感覚内容と結び付いて始めて意識に表われる。先ず「全体的な
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