のであるか。だが少くともこの感覚は動物的な性能――本能[#「本能」に傍点]――ではないであろう。そうすれば之は一つの教育されたる素質――教養[#「教養」に傍点]――だということになるであろう。処が教養は全く一つの歴史社会的条件の所産でなければならない。そこで吾々はこう問わねばならなくなる、如何なる歴史社会的条件が歴史的感覚を完成するかと。かかる条件を充す社会形態は併し、現在に於ては[#「現在に於ては」に傍点]、一つの進歩的・変革的なる階級[#「階級」に傍点]なのである。
 実際、人々は見るべきである、茲では歴史的感覚――この具体的論理能力――のための素質が比較的欠乏していることや、又その教育が不完全であるということが、階級意識[#「階級意識」に傍点]によって如何に補われているか、という一つの事実を。比較的凡庸な且つ無教育な一介の労働者は、往々にして、大学教授達よりも、又大新聞の顧問達よりも、如何に容易に真理への正常な感覚を持つことが出来るかを。――それであるから、時代錯誤の虚偽が無意識的であるのは外でもない、それが階級性を持った虚偽、階級的虚偽[#「階級的虚偽」に傍点]であるからである
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