てみると、そこいらはごろごろした岩ばかりだ。手足のこわれた人形のように、ほうりだした瞬間から不恰好な形をして、やがて岩の上にグシャリとなる、そういうものが一瞬頭の中を走った。僕は立ち上って、崖縁から少し遠のき、また縁まで歩いてみ、その次にはもう後を見ないで内輪山の方へ立ち去って行った。しばらく指の先きのしびれるような感じがのこっていた。
底本:「日本文学全集 88 名作集(三)」集英社
1970(昭和45)年1月25日発行
入力:土屋隆
校正:林幸雄
※底本の「突拍手」を、田畑修一郎「石ころ路 短篇傑作集」人文書院、1940(昭和15)年8月30日発行を参照して、「突拍子」に修正しました。
2003年5月18日作成
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