の世界的に知られた、ベニイの白い視線があることを、忘れてはならないのです。そして、絹高帽《シルク・ハット》の置き場処は、所有者の頭のうえか、椅子に掛けた姿勢ならば、その膝の上といつも決まっているものです。で、絹高帽《シルク・ハット》を膝に立てると直ぐ、あなたは面談を開始するのですが、この場合、あなたは、先刻私が申し上げたような質問集で、すこしでも、ベニイの人間味を探り出そうなどと望んではなりません。彼は、あらゆる形式の面接にすっかり慣れ切っていて、どんなことがあっても、自分の影をさえ瞥見させるようなへま[#「へま」に傍点]はしないでしょう。従って、あなたに残された唯一の活動の余地は、室内を見廻して彼の事務家振りを推測することであり、灰皿の吸殻から彼の愛用する煙草を知ることであり、その一本を訪問記念としてこっそり[#「こっそり」に傍点]持って来るために、手を伸ばす機会を探すことであり、読んでいる本を突き留めるには、彼を押し退《の》けて、あなた自身、卓子《テーブル》の上下から抽斗《ひきだ》しを、根気よく捜索しなければなりますまい。何と、華やかな面会ではありませんか。』
『非常に面白そうなお
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