ェ。いまにも欠伸《あくび》といっしょに起き上りそうだ。一列のまま左へゆっくりと棺を一周して見るだけで、銃剣の兵が立っていて停まることは許されない。レイニンの手の青い筋を網膜に浮べながら、私たちはもう一度|赤色広場《クラスナヤ・プロシヤチ》のあかるい光線を吸う。
 そうすると、曲馬団の天幕《テント》のような思い思いの建築に沃野《よくや》の風が渡って、遠く聞える夏の進軍|喇叭《らっぱ》に子供みたいに勇み立っているモスコウが意識される。二十万の親なし児が鬨《とき》の声をつくって南部オデッサの方面から、或いは貨車の下に掴まり、あるいは国道のほこりにまみれて、今や市内へ雪崩《なだ》れ込もうとしているのだ。町で彼らに帽子をさらわれない要心が大事だ。
 With its rise and fall, 莫斯科《モスコウ》は何かを予言しようとあせっている。

   “〔Ville de Lie`ge〕”

 ワルソオ・伯林《ベルリン》・ケルン・オスタンド。
 それから数日ののち、私たちはオスタンド・ドウヴァ間のSSヴィユィユ・リエイジュ号の甲板上に、近づく白堊《はくあ》の英吉利《イギリス》の断崖を見守っ
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