付き、折り返して1字下げ]
朴鳳錫 張首明と通じているんだ。あの床屋の張よ。先刻あいつがやって来て露《ば》れたんだが、おれは前から知っていた。安重根のやつ、伊藤公暗殺などと与太を放送しときゃがって、それを種に、おれたちの機密に食い込もうとしていたんだ。だから、いよいよというこの土壇場に、伊藤を殺っつける気なんかこれっぽっちもありゃあしない。(禹徳淳を見て)なあ徳淳、そうだろう? おれは今まで、李先生の命令で張の店を見張っていたが、白基竜は――。(白基竜を認めて)お! 白! 野郎いたか、停車場に。
[#ここから3字下げ]
白基竜は無言で閉めきった台所の扉を指さす。
[#ここで字下げ終わり]
[#改行天付き、折り返して1字下げ]
朴鳳錫 台所にいるのか。何故みんな――畜生!
[#ここから3字下げ]
一同激昂のうちに朴鳳錫はドアへ突進する。禹徳淳が抱き停める。
[#ここで字下げ終わり]
[#改行天付き、折り返して1字下げ]
禹徳淳 こら、早まったことをするな。安君の真意を突き留めてから――おい、朴を抑えろ!
[#ここから3字下げ]
制しようとする者と、朴鳳錫とともに台所へ侵入しようとする者と
前へ 次へ
全119ページ中70ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
谷 譲次 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング