深夜の電話
小酒井不木
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)妬《ねた》んだり、
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)少年科学探偵|塚原俊夫《つかはらとしお》君
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#「ございません」は底本では「ごさいません」]
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第一回
一
木の茂れば、風当たりの強くなるのは当然のことですが、風当たりが強くなればそれだけ、木にとっては心配が多くなるわけです。
少年科学探偵|塚原俊夫《つかはらとしお》君の名がいよいよ高くなるにつれて、俊夫君を妬《ねた》んだり、俊夫君を恐れたりする者が増え、近頃では、ほとんど毎日といってよいくらい、脅迫状が舞い込んだり脅迫の電話がかかってきたりします。
たとえば俊夫君がある事件の解決を依頼されると、解決されては困る立場の者から、脅迫状を送って俊夫君に手を引かせようとします。あるいは俊夫君がある事件を解決して多額の報酬を貰うと、それを羨《うらや》んで、金員を分与せよなどという虫のいい要求を致してきます。
俊夫君は、それらの脅迫状や脅迫電話
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