尾警部の手に成った三調書及保険会社の其当時の書類、次に自分は大正六年二月深川区古石場荒巻方二階に置いてあった孤児院建設趣意書、同絵葉書、尾島と自分とが相往復した手紙並に自分が浅田と松下一郎名義にて相往復した手紙、次に庄司は神戸氏と母校を同じゅうしとると云う事から同人を欺き、同人から取上げとる山々の書類等さえ裁判所に現われますれば事明細に分ります。よく明白にお分りいたゞけます。今になって庄司氏も出す訳に行くまい。自分の一身上に関する事ですから、そこで私が出獄さして頂けば、弁護士初め勝尾警部、神戸牧師、佐藤司法主任、庄司署長、八田警視総監等に会うて甘《うま》く局が結べるようにさせて頂きます。私は此処に繋がれて居りました事では誰も傷つかんように甘くやらせて頂こうと思っても、それが出来ません。過般三崎上席検事殿は保釈願を出して見よと仰せられました。昨日能勢弁護士も誤判にせよ、死の宣告を受けとる者が保釈が許可になったと云う前例がない。又官房主事があらゆる書類を隠して偽証させ、罪なき者を無実に陥れたと云う事も之までにない事だ。そこで都合よく運ぶかも知れん。兎に角三崎検事が初めそう言われたなら、保釈
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