一つでどうにでも解釈の出来る問題じゃないのでしょうか」
「そうかも知れません」
牧師はきっぱり云った。
「ですから私は私の解釈を法廷で申述べたのです。尤も私は一旦は拒絶しました。然し既に口外したからには、私の考えとして飽くまで責任を負い、今後変更しようとは思ってはいません」
「ご尤もです。然しもし先生が彼に憐れみを垂れて下されば――」
「鳥渡お待ち下さい」
神戸牧師は遮《さえ》切った。
「先刻からのお話では、私が何か支倉を憎んでゝもいるように取れますが、もしそう云うお考えだと飛んでもない事で、私は決して彼を憎んでは居りません。十分憐憫の情は持っている積りです。然し宗教家としての私は、法律上の罪人として彼に干渉する事は出来ないと思うのですが。それとも彼は全然冤罪であると云う確証でもお持ちなのでしょうか」
「いや、決してそうじゃないのです。私も彼が悪人であると云う事は十分認めているのです。然し、悪人なればこそ、一層救ってやる必要はないでしょうか」
「悪人を救ってやる事には異議はありませんが、それは宗教の関係している範囲で、法律上の事に及ぼす事は出来ないと思います」
神戸牧師はいつにな
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