、約一時間程待受けました。
警 そうか、その時小林さだは如何なる着物を着て居ったか。
答 そうですね。能く気付きませんでした。
警 気付かん筈はない、シマかカスリか。
答 そうですね。シマだと思いました。
警 シマではあるまい、カスリだったろう。
答 そうかも知れません。
警 そのカスリはどんな模様だったか。
答 そのガラをよく気付きませんでした。
(逢わぬのですから知ろう筈はありません)
警 よし、それからどこへ連れて行ったか。
(当惑)
私の心では其時まだ清正公前に電車は通じて居らんものと思い、こゝに裁判へ廻りましてからの立証の道を見出し、乗らぬ電車に乗ったとしたのであります。豈図らんや、それは其折通じてあったとの事驚一驚。
答 電車に乗りました。
警 何処へ連れて行ったか。
答 赤坂の順天堂へ連れて行きました。
大正二年九月二十二日神戸氏に一百円を渡しやり、二十五日夕神戸氏宅にて証書取交せ、示談事ずみとなったのであります。それに支倉は何とて小林貞を病院へ連れて行く筈がない。こゝに裁判所へ廻ってからの立証道を見出したのであります。
警 それから病院を辞
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