「一体君は」
根岸刑事は少し態度を和げながら、
「どう云う義理があってそう、支倉の利益を計るのだい」
「別に義理なんかありません」
「ふん、そうか」
根岸は冷笑を浮べながら、
「じゃ何か目的があるのだね」
根岸刑事に支倉の利益を計るのは何か目的があるのだろうと云われて、浅田はドキリとしたが、顔色には少しも現わさずに平然と答えた。
「何も目的はありません」
「そうかね」
根岸はニヤリと笑った。
「君がどうも繁々と支倉の留守宅に出入するのは、何か目論見があったのだと思えるがね」
「――――」
浅田は黙って唇を噛んだ。
「僕が君の細君に連れられて支倉の宅へ行った時には、何だか騒ぎがあったようだね」
「――――」
「細君が、お篠さんとか云ったね、大そう腹を立てゝいたじゃないか」
「あいつはどうも無教育で、所構わず大声を出すので困るのです」
浅田はポツリ/\答えた。
「と許《ばか》りは云えまいよ。あの時はどうも君が悪いようだったね」
「どうしてゞすか」
「おい、浅田」
根岸はきっとなった。
「白ばくれゝば事がすむと思うと大間違いだぞ。俺は何もかも知ってるんだぞ」
「何もかもと云
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