ころの毛唐人中の毛唐である。
[#地付き](「美術新論」昭和五年一月)
絵画き[#「絵画き」はママ]の日記
油絵描きの日常生活というものは、それが順調であればあるほど実に単調きわまるものである。それは第一、生活が貧弱でなっていないからそれ以上何か面白いことがやってみたくとも出来ないことがその主な原因かも知れない。まずその日その日辛うじて無事に絵を描いて暮すことが出来ていれば、実にそれだけで、めでたき限りの順調といわねばならないのである。したがってどうも絵描きの日記などに大そう面白いというものはどうもあまりないようである。
彼は起きた、モデルが来た、絵を描いた、仕上がった、あるいはてこずった、怒った、椅子を投げた、妻君が弱った、散歩してライスカレーを食べて機嫌がなおった、寝た、月末が来た、困った、何とかした、という位が私の毎日の日記かも知れない。
こんなことが一生涯続くのかと思うと、あまり面白いものとは思えない、したがって日記などつける気にもなれない。がしかしこの単調な順序が一歩間違うともう絵が一枚も描けなくなるのである。
例えば妻子家族の病気とか、あるいは恋愛関係、そ
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