のを作り上げて笑われるかも知れない。
 先ずいろいろと文句は云うが其目鼻を移動させる事はかなりの危険が伴うからやらない方が安全であると私は思う。そして充分自然を愛し、自然に便る事が安全だと思う。自然は無頓着であるから従って千差万別である。一つとして同じものが作られていない、処で人間のやる仕事は、何に限らず事を一定したがっていけない、今や人の顔はヴァレンチーノが流行だと云えば皆ヴァレンチーノとして了うかもしれない、だから人間を作る事を人間に任せて於ては同じ型ばかり作り度がる故に危険である、結局均一の人類の無数が製造されて、人間は怠屈して了わなければならない不幸が現れる。
 私は従って変化ある面白い構図は、自然をよく観察し自然に従ってよき撰択をする処から生じて来るものであると考える。
  ×  ×  ×  ×
 今一枚の風景画を作らん[#「作らん」は底本では「作ら」]とする、十号と云うカンバスを持ち出す、自然の全体を此十号へ全部残りなく描き込んで了う事は人間わざでは出来ない、吾々は自然の極く一部分を、この十号と云う天地へ切り取って嵌込まなければならないのである、ここで自然の中から、自分が見
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