訪問することに努力したい。
 しかしながら若くして野心ある画家は、空中美人大歓兵式でもらくらくと描きあげる勇気を持つが、もう多少の老年となれば、左様なことも億劫であり、若い男女の背景となるところの興味を失ってしまう。つい洗練された自分の芸術も出来上がり固まってしまうものだから、籠居して宝玉の製造をやり始めるが、情ないことには日本の展覧会は目下主として封切りもののための存在となりつつあり、漫歩の背景となりつつあるがために、この常設館のイルミネーションとともに老人の作った地味な玉も同居するのだから、はなはだそれはねぼけたものとなってしまいがちだ。いかに玉でも磨かざれば光なしという。玉を並べる飾り窓もまた必要だろうと思う。
[#地から1字上げ](「東京朝日新聞」昭和五年四月)

   挿絵の雑談

 よほど以前の事だが、宇野浩二《うのこうじ》氏から[#「から」は底本では「が」]鍋井《なべい》君を通じて自分の小説の挿絵《さしえ》を描いて見てくれないかという話があった。自分は挿絵は[#「挿絵は」は底本では「挿絵を」]全く試みた事がなかったが挿絵というものには相当の興味を持っていたし、小説家と自分
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