ンヤリとしてしまう。パリの方へ、イロイロの事を詳しくかいて、手紙をたのむ。
 泰弘は[#「 泰弘は」は底本では「泰弘は」]元気か、オモチャどっさり買うてかえるよ。

 九月二十三、四日頃
 マルセイユは思ったよりも絵になる、実にいい町だ。ジュネーブホテルで一泊のうえ、夜の急行の一等車で林、硲、長島と僕と四人づれでパリへ入った。朝八時過ぎパリ着。
 もう、何もかもが変ったので、一寸、あきれてしまって、一言も、一言半句も、手紙にもかけなくなってしまった。実に巴里は、何んとも云えないいい都会だ、その光景はあとからゆっくり通信する事とする。今の処、ただキョトキョトとして、町の見物と、語の不通と、勝手のわからぬのと、ややこしい混雑とで、何も手につかずウロウロとしている。夜のパリは又大したものだ。モンマルトルの舞踏場[#「舞踏場」は底本では「舞踏場と」]バルタバランなどは、とてもとても、日本から遠めがねででも覗かねばわからないもんだ。
 中村君に会うた、美川君にも会うた。僕は林、硲、長島と共に、よい家をかりて、その下宿(パンション)で、一人ずつサッパリした部屋をかりてすんでいる。
 その家は大きな
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