愛の問題(夫婦愛)
――生命の法に随う――
倉田百三

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)蹉跌《さてつ》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一つの|習わし《ジッテ》で

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)羽翼を※[#「てへん+劣」、第3水準1−84−77]ぐ
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 一人の男と一人の女とが夫婦になるということは、人間という、文化があり、精神があり、その上に霊を持った生きものの一つの|習わし《ジッテ》であるから、それは二つの方面から見ねばならぬのではあるまいか。
 すなわち一つは宇宙の生命の法則の見地から見て、かりのきめであって、固執すると無理があるということだ。も一つはたとい多少の無理を含んでいても、進化してきた人間の理想として、男女の結合の精神的、霊的指標として打ち立て、築き守って、行くべきものであるということである。
 生命の法則についての英知があって、かつ現代の新生活の現実と機微とを知っている男女はこの二つの見方を一つの生活に融か
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