とは云え余りに野性が多い。いわゆる磨かぬ宝玉じゃ……南条右近の三男と云うがこれは少々|眉唾物《まゆつばもの》だ。都育ちの室咲《むろざ》き剣術、なかなかもってそんなものではない……山から切り出した石材そっくり恐ろしく荒い剣法じゃ……そろそろ呼吸《いき》が荒くなって来たぞ、あまりに神気を凝《こ》らし過ぎどうやらこれは悶絶《もんぜつ》しそうだ。参った!」と云って鉄扇を引いた。
「はっ」と驚いた葉之助、トントンと二足前へ出たが、「参りましてござります!」
「前途有望、前途有望、将来益※[#二の字点、1−2−22]お励みなされ!」
「はい、有難う存じます」葉之助は汗を拭く。
「誰に従《つ》いて学ばれたな?」
「はい、父右近に従きまして」
「ははあ、そうしてそれ以外には?」
「師は父だけにござります」
「それは不思議、しかとさようかな?」
「何しに偽《いつわ》りを申しましょう」
「それにしては解《げ》せぬことがある」
清左衛門は首を捻った。
「未熟者ではござりまするが、今日よりご門弟にお加えくだされませ」
「いや」と、不思議にも清左衛門は、それを聞くと冷淡に云った。「少しく存ずる旨《むね》もあれ
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