答ふ。何故地下には居給ふぞと訊けば数年以前に入定はしたれど未だ往生出来ずと云ふ。
「何故往生為給はぬぞ?」
「主人我を招き給はぬ故」
其時、虚空[#「虚空」は底本では「虎空」]に白馬現はれ、白衣の武士薙刀を揮って、
「主水! 主水! 参れ!」と呼ぶ。
刹那、阿信の姿崩れ、五|蘊《うん》[#「五|蘊《うん》」は底本では「五《うん》蘊」]四大に帰し終んぬ。云々』
底本:「妖異全集」桃源社
1975(昭和50)年9月25日発行
初出:「文芸倶楽部」
1924(大正13)年8月
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:阿和泉拓
校正:門田裕志、小林繁雄
2004年12月13日作成
青空文庫作成ファイル:
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