をするがいい。私はそれを希望する。私はこの地を離れまい。美しい謎の土耳古《トルコ》美人を自分のものにするまでは断じて私は離れまい。
阿勒騰塔格《アルチンタツク》の大山脈と庫魯克格《クルツクタツク》の小山脈とに南北を劃《かぎ》られた羅布《ロブ》の沙漠のちょうどこの辺は底らしい。どっちを見ても茫々とした流れる砂の海ばかりだ。遙かに見える丘陵もやっぱり砂の丘であって一夜の暴風で出来たものだ。ところどころに沼がある。しかしその水は飲めなかった。多量に塩分を含んでいる。立ち枯れの林が一、二ヵ所白骨のように立っていて野生の羊がその周囲《まわり》を咳をしながら歩いている。遠くの砂丘で啼いている獣はやっぱり野生の駱駝である。私達を恐れているのだろう。夜な夜な無数に群をなして草原狼が現われたが、火光に恐れて近寄らない。一発銃を撃ちはなすと慌てて姿を隠すのであった。
河の流れも幾筋かあった。しかしその水は飲めなかった。やっぱり塩を含んでいる。これらの河や沼や池は、全く不思議な化物で絶えずその位置が変るのであった。動く湖、移動《うつ》る沼、姿を消してしまう河や池――全くこの辺のすべてのものは神秘と奇怪と
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