とのない、不思議な食物――焼き肉が、私の手によって投げられた。しかもその肉はきわめて美味でその上制限されていて無尽蔵に食うことは出来ないのである。だからどうしても必然的に食物競争が行われる。そこが私の付け目であって、彼らが競争しているうちに荷車を前方へ進めるのであった。
焼き肉――競争――格闘――前進!
日光も透さぬ大森林を荷車はグングン進んで行った。そして朝が昼となりやがて夕暮れが近付く頃、大森林の涯《はて》まで来た。
この森林の果てへ来るのが私の唯一の目的であった。そして森林のこの果てはかつて前方《まえかた》ダンチョンと一緒に道に迷って来た事があった。そしてその時私は見た!
代赭《たいしゃ》色をした平原を! その代赭色の沙漠の中に一筋堤防のあったことを! そして堤防のその上に二頭の狛犬に守られて神の社があったのを!
四十三
そして私は再び同じ所に社《やしろ》んで沙漠を見ようとしているのだ。
しかし私が森林を出て眼を前方に走らせた時、沙漠も堤も狛犬も悉く水に埋ずもれてわずかに社の屋根ばかりが水を抜け出て輝いているのがハッキリ両眼に焼き付いた。まことにそ
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