沙漠の古都
国枝史郎
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)逸速《いちはや》く
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)怪獣|何処《いずこ》より
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#二の字点、1−2−22]
[#…]:返り点
(例)贈[#レ]僧
−−
第一回 獣人
一
「マドリッド日刊新聞」の記事……
[#ここから4字下げ]
怪獣再び市中を騒がす。
[#ここから1字下げ]
去月十日午前二時燐光を発する巨大の怪獣|何処《いずこ》よりともなく市中に現われ通行の人々を脅かし府庁官邸の宅地附近にて忽然消滅に及びたる記事は逸速《いちはや》く本社の報じたるところ読者の記憶にも新たなるべきがその後怪獣の姿を認めずあるいは怪獣の出現も通行の人々の幻覚に過ぎず事実上かかる怪獣は存在せざりしには非ざるやと多少の不安と危惧とをもって両度の出現を待ちいたるところ……。
[#ここで字下げ終わり]
「ホホオそれじゃまた怪獣が出現
次へ
全239ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
国枝 史郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング