ネっているので、たとえば平均体重より五十ポンド以上太っている者などは四十歳より四十四歳の間においてその死亡者数は平均数を超過すること百人につき七十五人の多数に上りつつあるのである。
 これに比ぶれば、やせ過ぎている者のほうがむしろはるかに安全である。試みに次に掲ぐる一表を吟味せよ。こは前と同じ会社が同じ期間に、総人員五十三万百八人について調べた結果で、この方は平均以下の体重を有する者の死亡率を現わすものであるが*、その成績は太り過ぎた者よりもはるかによいのである。
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* Fisher, Ibid., p. 219.
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               年齢 二〇―二四 二五―二九 三〇―三四 三五―三九 四〇―四四 四五―四九 五〇―五六 五七―六二
                      %     %     %     %     %     %     %     %
五ないし十ポンド過少┌平均以下の死亡率   ―     一     ―     九    一五     三    一〇     七  
          └平均以上の死亡率   七     ―     四     ―     ―     ―     ―     ―  
十五ないし二十ポンド┌平均以下の死亡率   ―     ―     ―     ―    一三     一     八    一八  
過少        └平均以上の死亡率  一五     八     〇     三     ―     ―     ―     ―  
二十五ないし四十五ポ┌平均以下の死亡率   ―     ―     ―     ―     三    一一     九    一九  
ンド過少      └平均以上の死亡率  三四    一六     八     二     ―     ―     ―     ―  
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 右の表によりて見れば、最もやせた人すなわち平均より二十五ポンドないし四十五ポンドも体重の少ない者にあっても、三十代を越して四十歳以上になるとすべて平均よりも死亡率が少なくなるのである。
 表を掲げたついでにすぐ引き続いて述べたい事があるが、余白がなくなったから残りは明日に回
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