ばならぬ生活は、どちらの生活だ。社会生活の現状を維持する為めに、私達はここまで進んで来た個人生活を停止し若しくは退歩させて、社会生活との適合に持ち来さねばならぬというのか。多くの人はそうあるべき事のように考えているように見える。私は断じてこれを不可とする。
 変らねばならぬものは社会の生活様式である。それが変って個人の生活様式にまで追い付かねばならぬ。
 国家も産業も社会生活の一様式である。近代に至って、この二つの様式に対する根本的な批判を敢《あ》えてする二つの見方が現われ出た。それは個性の要求が必至的に創《つく》り出した見方であって、徒《いたず》らなる権力が如何ともすべからざる一個の権威である。一時は権力を以《もっ》て圧倒することも出来よう。然しながら結局は、現存の国家なり産業組織なりが、合理的な批判を以てそれを打壊し得るにあらずんば、決して根絶することの出来ない見方である。私のいう二つの見方とは、社会主義であり、無政府主義である。
 この二つの主義のかくまでの力強さは何処《どこ》にあるか。それは、縦令《たとい》不完全であろうとも、個性の全的要求が生み出した主義だからである。社会主義
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