に顔を埋めた。無性に悲しくなるばかりだった。
力がなえきってみえた父は、最後の努力でもするように、おせいの方に向きなおって、膝の上に両肱《りょうひじ》をついて丸っこくかごまった。
「おせい……」
鼻をすすりながらそれを横撫でにした。
「甲斐性のないおやじと下げすんでくれるなよ。俺も若い時に、なまじっかな楽な暮しをしたばかりに、この年になっての貧乏が、骨身にこたえるのだ。俺一人が楽をしようというではけっしてないがな、何しろ、今日日々の米にも困ってな……この四年あまりというもの、お前のしてきた苦労も、俺は胸の中でよっく察している。親というものは子にかけちゃ神様のように何んでも分る。お前は小さい時から素直な子だったが、素直であればあるほど……」
「お父さんそんなことをいうのはもうよしてください……」
おせいはほとんど憤《いきどお》りたいような悲哀に打たれて思わずこう叫んでしまった。
とにかく二三日中にはっきりした返事をすると約束しておせいはようやく父の宿を出た。
もうまったく日が暮れていた。ショールに眼から下をすっかり包んで、ややともすると足をさらおうとする雪の坂道を、つまさきに力
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