ずいことになる。そうしよう。そうして借りようととうとう人見は腹をきめた。
人見は星野の真似をして襟首に巻いていた古ぼけたハンケチに手をやって結びなおしながら上眼で園を見やった。
「時に園君どうだろう。君の所に少しでもよぶんの金はないだろうか。(おっかぶせるように)じつは君にはたびたび迷惑をかけているのですまないんだが、またすっかり行きつまっちゃったもんだから……西山か星野でもいるとどうにかさせるんだが(こりゃ少しうそがすぎたかなと思ったが園がその言葉には無関心らしく見えるのですぐ追っかけて)ちょうどいないもんだから切羽《せっぱ》つまったのさ。本屋の払いが嵩《かさ》みすぎて……もう三月ほど支払を滞らしているから今度は払っておいてやらないとあとがきかなくなるんだ。……そうだねえ五円もあれば(五円といえば一カ月の食費だが少し大きくいいすぎたかしらんと思って人見はまた園の様子を窺《うかが》った)……何、それだけがむずかしければ内輪《うちわ》になってもかまわないんだが……」
園は人見の眼に射られると、かえって自分で恥じるように視線をそらして、火鉢の火のあたりを見やったが、じっとそれを見やって
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