れたのは十九日午後十一時半過ぎだった。その頃はもう雪がちらつき出していて、氷ノ山越えの道は一層淋しかった。急な登りになる手前の杉林の中で、風と雪をさけながらスキーに張りシールを張る。張りシールを張るのは初めてなので相当苦心をした。川を渡って夏道通りに登り、八四〇メートルくらいの杉林の中にある地蔵堂に着いたのは、翌午前三時頃だった。だいたい今日の予定は、この堂でしばらく休み、すぐ出発して氷ノ山へ登り、引返して国境の尾根を北へ縦走し、一日で扇ノ山の手前にある三ッヶ谷一二三九・三メートルを越し、その山麓の菅原村に泊ることにしていた。しかしこの堂に着いた頃は降雪が激しく、天候も恢復の見込みがないので、すぐ出発することを見合せた。やがて夜も明けた七時頃、住友の人々が吹雪をついて登ってきたので、力を得てその後に従い、なんなく吹雪に狂う氷ノ山の頂上に立つことができた。それはすでに十一時頃で気温も零下七度まで下っていた。住友組はもう少し南のところから春米村に下るというので、別れて氷ノ山越えの峠に引返す。その途中でB・K・Vの人々に会い、お互いに天候の悪いのをグチる。峠に着く頃からシールがまくれ出したの
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