れに語る程度による――現今の美術に対する表面的の熱狂は真の感じに根拠をおいていない――美術と考古学の混同――われわれは人生の美しいものを破壊することによって美術を破壊している
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 第六章 花
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花はわれらの不断の友――「花の宗匠」――西洋の社会における花の浪費――東洋の花卉栽培《かきさいばい》――茶の宗匠と生花の法則――生花の方法――花のために花を崇拝すること――生花の宗匠――生花の流派、形式派と写実派
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 第七章 茶の宗匠
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芸術を真に鑑賞することはただ芸術から生きた力を生み出す人にのみ可能である――茶の宗匠の芸術に対する貢献――処世上に及ぼした影響――利休の最後の茶の湯
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   注
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     茶の本

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     第一章 人情の碗

 茶は薬用として始まり後飲料となる。シナにおいては八世紀に高雅な遊びの一つとして詩歌の域に達した。十五世紀に至り日本はこれを高めて一種の審美的宗教、すなわち茶道にまで進めた。茶道は日常生活の俗事の中に存する美し
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