塔の瓦哉      同
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われは、
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杉の根に塔を見上げて凉む哉
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 日光の力衰へたりとて、簾をまけば、神田川の支流なる小川、さら/\流る。斜日若葉を洩れて、水に落ち、所謂水明の觀を呈す。石榴の花もさきたり。この面白き光景に對して、一句なかるべからずとて、
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早き瀬の夕日に光る若葉哉
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[#地から1字上げ](明治四十三年)



底本:「桂月全集 第二卷 紀行一」興文社内桂月全集刊行會
   1922(大正11)年7月9日発行
入力:H.YAM
校正:門田裕志、小林繁雄
2008年8月26日作成
青空文庫作成ファイル:
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