が去らないで不愉快であつた。
 そこへ行くと「ル・ミリオン」「幽霊西へ行く」の二作は、彼が彼の本領に即して融通無碍に仕事をしているし、形式と内容がぴつたりと合致して寸分のすきもない。完璧なる作品という語に近い。
 なお彼の作品に現われた様式美についても論ずる価値があるが、これは別の機会に譲ろう。
[#地から2字上げ](『キネマ旬報』昭和十一年六月二十一日号)



底本:「新装版 伊丹万作全集2」筑摩書房
   1961(昭和36)年8月20日初版発行
   1982(昭和57)年6月25日3版発行
初出:「キネマ旬報」
   1936(昭和11)年6月21日号
入力:鈴木厚司
校正:土屋隆
2007年7月25日作成
青空文庫作成ファイル:
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