して、人類の最後の大戦争なるべし。即ち、この大戦争によりて世界は統一せられ、絶対平和の第一歩に入るべし。
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※[#ローマ数字1、1−13−21] 真に徹底せる決戦戦争なり。
※[#ローマ数字2、1−13−22] 吾人は体以上のものを理解する能わず。
※[#ローマ数字3、1−13−23] 全国民は直接戦争に参加し、且つ戦闘員は個人を単位とす。即ち各人の能力を最大限に発揚し、しかも全国民の全力を用う。
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三 しからばこの戦争の起る時機いかん。
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※[#ローマ数字1、1−13−21] 東亜諸民族の団結、即ち東亜連盟の結成。
※[#ローマ数字2、1−13−22] 米国が完全に西洋の中心たる位置を占むること。
※[#ローマ数字3、1−13−23] 決戦用兵器が飛躍的に発達し、特に飛行機は無着陸にて容易に世界を一周し得ること。
  右三条件はほとんど同速度を以て進みあるが如く、決して遠き将来にあらざることを思わしむ。
[#ここで字下げ終わり]

     第七 現在に於ける我が国防

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一 天皇を中心と仰ぐ東亜連盟の基礎として、まず日満支協同の完成を現時の国策とす。
二 国防とは国策の防衛なり。即ち、わが現在の国防は持久戦争を予期して次の力を要求す。
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※[#ローマ数字1、1−13−21] ソ国の陸上武力と米国の海上武力に対し東亜を守り得る武力。
※[#ローマ数字2、1−13−22] 目下の協同体たる日満両国を範囲とし自給自足をなし得る経済力。
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三 満州国の東亜連盟防衛上に於ける責務真に重大なり。特にソ国の侵攻に対しては、在大陸の日本軍とともに断固これを撃破し得る自信なかるべからず。
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[#底本121頁に「付表第二 近世戦争進化景況一覧表」入る]
[#改ページ]

   第二篇 戦争史大観の序説(別名・戦争史大観の由来記)

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昭和十五年十二月三十一日於京都脱稿
昭和十六年六月号「東亜連盟」に掲載
[#ここで字下げ終わり]
 私が、やや軍事学の理解がつき始めてから、殊に陸大入
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