とを着けて置くが良い、併し此鈴と捕鼠《ほそ》とは両立しないもので、如何に其猫が鼠を捕りたくても歩く毎に鈴が鳴っては堪らない、之は鼠に自分の居場所を通知しつつ追いに行くのと同一である、如何に鈍間《とんま》な鼠でも鈴を着けた猫に捕られるようなことはあるまい、故に鼠を捕らしむる猫には白色又は水色の首環丈にして鈴は見合すべきであるが、小猫には此両者一を欠かぬようにすべきであろう。



底本:「日本の名随筆3 猫」作品社
   1982(昭和57)年12月25日第1刷発行
底本の親本:「猫」誠文堂新光社
   1980(昭和55)年11月発行
入力:菅野朋子
校正:今井忠夫
2000年11月15日公開
2004年7月21日修正
青空文庫作成ファイル:
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