併しながらこの簡單な眞理から生ずる結論は重大だ。物的條件が精神文化を決定し階級對立が文化の上に階級的偏見を印するということから必然に、文化から階級的偏見を取り除くためには階級對立を先ず廢止しなければならぬという結論が生れる。過渡期に於ては生産關係に革命的要素が増大すると同じく、その一意識形態なる文學にも革命的要素を増大して來るのである。
[#21字下げ、地より2字あきで](大正十年十二月)



底本:「日本現代文學全集69 プロレタリア文學集」講談社
   1969(昭和44)年1月19日初版発行
入力:田中亨吾
校正:大野裕
2000年11月10日公開
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全12ページ中12ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
平林 初之輔 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング