うに思う。またアナトール・フランスの小説が面白くてその頃しきりに読んだことは、すでに書いたとおりである。ジードにしても、アナトール・フランスにしても、フランスの作家の中で外国人好きのする作家であるといえないであろうか。作家のうちには本国においてよりも外国においてはるかに好まれる種類の人があるのである。パリの下宿でほかに私が愛読したものといえば、ルナンであったであろうか。
そうしているうちに私はふとパスカルを手にした。パスカルのものは以前レクラム版の独訳で『パンセ』を読んだ記憶が残っているくらいであった。ところが今度はこの書は私を捉えて離さなかった。『パンセ』について考えているうちに、ハイデッゲル教授から習った学問が活きてくるように感じた。そうだ、フランスのモラリストを研究してみようと私は思い立ち、先ずパスカルの全集、モンテーニュの『エセー』、ラ・ブリュイエールの『カラクテール』等々を集め始めた。ヴィネの『十六、七世紀のモラリスト』を読んで、いろいろ刺戟を受けた。私の関心の中心はやはりパスカルであった。そうだ、パスカルについて書いてみようと私は思い立ったのである。マールブルクにおけるキ
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