きいて道綱がやつて來た。その時にはそれでも窕子はその手を取るやうにした。微かな笑ひもその口のあたりに上つた。『そら、母者はもう大丈夫! 安心なさいませ!』呉葉はかう言つて道綱をなだめた。夜になつて兼家もやつて來てその枕邊に坐つた。



底本:「田山花袋全集」文泉堂書店
   1974(昭和49)年1月20日発行
※底本が用いていた「※[#始め二重括弧、1−2−54]」は「(」に、「※[#終わり二重括弧、1−2−55]は「)」に置き換えた。
入力:柳沢成雄
校正:松永正敏
2003年4月8日作成
青空文庫作成ファイル:
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