るかも知れません。そのどちらを答へられてもあなたは失望なすつてはいけないのです。
しからばこの王は何界に属するや? とおたづねになつたアルフレツド王に、
「神の界に属します」と答へた少女は賢いのです。それは学校の生徒であつたからです。夢の国の少女は、ただうれしくて泣いたことでしよう。或は、黙つて微笑んだことでしよう。たとへばあの山彦です。
こちらからたづねたことを答へるばかりで、曾て自分から言つた事はないのです。
ぎりしやから以来、美しい乙女には、言ふ事は禁ぜられてゐるのです。あのにむふの娘ゑこをも夢の国の少女の一人だつたのです。
ある日のこと、じゆのの夫がゑこをの許へいつてゐるのを知つて行つて見ると、ゑこをは用もないいろいろのことをお饒舌りして、じゆのの夫を引止めてゐたのです。じゆのは大そう怒つて、それからといふものはゑこをに答へることだけしか、ものを言ふことを許さなかつた。それから後のある日のことゑこをの好きな少年がゑこをの許を訪ねてくれた。ゑこをは嬉しいことを禁ぜられてゐる今は、一言も言ふことは出来なかつた。それで黙つてほほゑんでゐた。
哀れな少年は、怒つて往つてしまつ
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