てゐる叔母さんとイワン・フョードロ※[#濁点付き片仮名ヰ、1−7−83]ッチとに何時までも会釈を送つた。
「さあ、イワン・フョードロ※[#濁点付き片仮名ヰ、1−7−83]ッチ、お前さんは、あのお嬢さんと二人きりで、どんなことをお話しだつたえ!」と、叔母さんが途々たづねた。
「たいへん気立ての優しい、上品な娘さんですねえ、あのマリヤ・グリゴーリエヴナは!」とイワン・フョードロ※[#濁点付き片仮名ヰ、1−7−83]ッチが答へた。
「時にイワン・フョードロ※[#濁点付き片仮名ヰ、1−7−83]ッチ、妾お前さんに真面目に話したいことがあるのだよ。お前さんもお蔭でもう三十八にもおなりだし、官等も決して恥かしくはないのだから、そろそろ子供のことを考へなきやなりません! 何は措いてもお嫁を迎へることにしないでは……。」
「何ですつて、叔母さん!」と、びつくりしてイワン・フョードロ※[#濁点付き片仮名ヰ、1−7−83]ッチが叫んだ。「ヨ、嫁ですつて! 以つての外です。叔母さん、ほんとに後生です……。あなたはまつたくこの僕に恥をかかせなさるんです……。僕はこれまで、まだ一度も、妻を持つたことはないんです
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