し。しかも駒に跨がりて、彼処《かしこ》に佇む日の限り、汝にもまた天国の安息《やすらひ》なきを心せよ!※[#終わり二重括弧、1−2−55]かく宣まひし上帝の、言葉のままに実現せり。今に至るもカルパシヤの、峯に駒をば打ち立てて、不思議の騎士は底もなき、奈落の淵に亡霊が、あまた一つの屍《しかばね》を、噛みくだく有様と、今ひとつなる屍《しかばね》が、地中にありて次ぎ次ぎと、成長しつつ堪へ難き、苦痛に我れと我が骨を、噛みつつ大地をどよめかす、その有様を見まもるなり。……』

        ☆        ☆        ☆

 盲人はかく歌ひ終ると、やがて、また弦の調子を合はせて、今度は*※[#始め二重括弧、1−2−54]ホマとエリョーマ※[#終わり二重括弧、1−2−55]だの、*※[#始め二重括弧、1−2−54]スツクリャール・ストコーザ※[#終わり二重括弧、1−2−55]だのといつた、滑稽ものを歌ひだしたが……しかし群衆は、老も若きもおしなべて、なほも我れに返らうとはせず、頭べを垂れて、その怖ろしき昔の出来ごとを思ひ描きつつ、しばしその場に佇んだ。
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